旅館の部屋に入った瞬間から、もうダメだった。<br>希空は畳の上ではしゃいで、浴衣の袖を揺らして、<br>そのまま何気なく距離を詰めてくる。<br><br>肩に触れる指先。<br>背中に回る腕。<br>「ありがとう」と囁きながら、<br>こちらの顔を見上げてくる、その近さ。<br><br>唇が触れる前から、<br>もうキスしているみたいな空気で、<br>一度始まると、なかなか離してくれない。<br><br>布団の上では、<br>抱き合ったまま、何度も口づけを重ねて、<br>胸に顔を埋められ、指先で確かめ合って、<br>カメラが回っていることさえ忘れていく。<br><br>露天では湯気の中、<br>身体を寄せ合いながら、<br>首筋、耳元、唇へとゆっくり触れてくる希空。<br>その無邪気さが、余計に理性を削ってくる。<br><br>夜も、朝も、<br>目が合えばキス。<br>起きれば抱き寄せられて、<br>「まだ一緒にいようよ」と笑われる。<br><br>背徳なんて言葉じゃ足りない。<br>ただただ、希空が可愛すぎて、<br>抗う理由を失っていく――<br>ただただずっとカワイイ、ベロベロキッス温泉旅行。
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